過去
誰かに言うくらいにはふっ切れたので。
でもこの話を言葉で発することができないので自分の整理のために。
実の親を明確な殺意を持って殺そうとした事がある
当時私の仕事が終わるのが20時過ぎで、そっからバスや電車を乗り継いでいくと22時を過ぎる。
実の父親が待つ家に帰りたくなかった私は何時間が潰してから家に帰るのだけど家に着く頃には、父はすでにウイスキーや日本酒をのんで出来上がってたと思う
ここからはいつものお決まりのパターンで、家に帰ったらまずリビングに来るように言われる
そのまま部屋に行くとあとが面倒なので私は早々に部屋に戻るためにてきとーに会話をしながらご飯をすませる
父が「〇〇ちゃん〜(本名)」って甘ったるい声で呼びながら私の太ももゆっくりとなで続ける
這うような太い手が私の足をいったり来たりする
一緒に寝よう。ちゅーをしよう。なんてお酒特有の匂いを身体中からさせながら私に言う
ここからはいつも父を突き飛ばして階段を駆け上がるようにして私は自分の部屋に急いでかえっていた
父と顔を合わせるとこのやりとりはほぼ毎日だった
家に住まわせているんだからそれぐらい良いでしょ、お小遣いをあげるから触らせてくれって父は私に言うのだ
扉が撤去された私の部屋はなんとも心許なく、父が私の部屋に来るのが怖くて、階段を昇って私の名前を呼ぶのがこわくて、寝ている間に来られるのが怖くて私は寝るのがとても怖かった
実の父親といっても私は生まれてからずっと義理の父親と16年間暮らして居たので父にしても知らない18歳の女の子だったのかもしれない
自分の2倍もある巨体に馬乗りになられて、首を絞められて、顔が青あざになる。それが実の父親との喧嘩が原因で、なんて今考えるととても笑える
ある日私は明確な殺意を持って包丁を取り出して寝ている父の前に立った
結局は怖くて手が震えて、人を殺そうとした自分に泣けてきて包丁を元あった場所に戻し、私は父から逃げるように家を出た
今でも時々父の私を呼ぶ声を思い出して上手に息が吸えなくなることもある。似た人を見つけると動悸がする。
一緒に居たのなんて恐らく3ヶ月〜4ヶ月もないくらいで大したことはないはずで、しかしあの時のことは1年も2年もあったように長く感じた。
たったそれだけの期間のそれだけのことが頭の中でちらついて吐きそうになるなんて、なんておかしな話だろうなぁなんて思っている